鼠径ヘルニアは自然に治る病気ではありません
鼠径ヘルニア(脱腸)は、足の付け根(鼠径部)の筋膜や腹壁が弱くなり、腸や脂肪が外に飛び出してしまう病気です。
一時的に引っ込むことはあっても、根本的に自然治癒することはありません。
そのため、基本的には手術による治療が唯一の根治方法となります。
■放置しても大丈夫?よくある誤解
「痛くないから様子を見てもいいのでは?」
「膨らみが引っ込むから問題ないのでは?」
このように考える方も多いですが、これは注意が必要です。
初期の鼠径ヘルニアは症状が軽く、日常生活に大きな支障がないこともありますが、時間とともに徐々に悪化する傾向があります。
■放置するとどうなる?主なリスク
① 症状の悪化(膨らみが大きくなる)
初めは小さなふくらみでも、腹圧がかかるたびに徐々に大きくなっていきます。
「立つと膨らむ」
「押すと戻る」
といった状態から、常に膨らんだままになるケースもあります。
② 嵌頓(かんとん)になる危険性
最も注意すべきなのが「嵌頓(かんとん)」です。
これは、飛び出した腸が戻らなくなり、締め付けられてしまう状態です。
強い痛み
吐き気・嘔吐
お腹の張り
などの症状が出現し、緊急手術が必要になることがあります。
③ 腸閉塞や腸壊死のリスク
嵌頓の状態が続くと、腸への血流が悪くなり、最悪の場合は腸が壊死(えし)する可能性があります。
この場合は
「腸の一部切除」
「入院期間の延長」
「身体への負担増加」
といったリスクが高まります。
■手術はいつ受けるべき?
鼠径ヘルニアと診断された場合、症状の有無に関わらず、計画的な手術を検討することが推奨されます。
特に以下のような場合は、早めの受診・相談をおすすめします。
膨らみが徐々に大きくなっている
違和感や痛みがある
押しても戻りにくくなってきた
日常生活に支障が出ている
早めの手術で身体への負担は軽減できます
嵌頓などの緊急手術になると、身体への負担やリスクが大きくなります。
一方で、計画的に行う手術であれば
・手術時間が短い
・合併症のリスクが低い
・早期回復が期待できる
などのメリットがあります。
■鼠径ヘルニアは放置せず早めの相談を
鼠径ヘルニアは命に関わることは少ない病気ですが、放置すると重症化するリスクがある疾患です。
・自然に治ることはない
・放置すると悪化する可能性がある
・嵌頓になると緊急手術になる
こうした点からも、気になる症状があれば早めに医療機関へ相談することが大切です
当院では、患者さまの状態に応じて最適な手術方法をご提案しております。まずはお気軽にご相談ください